
2022年(令和4年)1月から電子帳簿保存法が改正されました。

それが何か?

今後は電子取引の情報を電子データで保存することが義務付けられるなど、全ての事業者に係る大きな改正なので早めに対応する必要があるよ

対応って何?大変なの?

使っている会計ソフトを変更する必要があるかもしれないよ、しかもすぐに
今年の電子帳簿保存法の改正で、例えばAmazonのような通販で購入した場合、これまでは領収書を紙に印刷して保存しておば良かったけど、電子データを保存することが義務付けられました。
これまで会計ソフトで帳簿管理して確定申告していた人も場合によっては乗り換えが必要になるかもしれません。
僕は今までクラウド会計ソフトのfreeeを使ってデータを管理していましたが、今後はマネーフォワードに変更する予定です。
ケースによるので必ずしも全ての人にfreeeよりマネーフォワードがおすすめというわけではないのですが、僕は改正の対応に必要な費用と帳簿管理の正確性の観点からマネーフォワードに乗り換えた方が良いという結論に至りました。
では、順に説明し代表的なクラウド会計ソフトのfreeeとマネーフォワードの比較もしていきます。

僕も毎年確定申告していますが、必要なこととはいえ本業には関係のない余計な作業なので、なるべく効率的に処理して本業の作業に集中したいですね
電子帳簿保存法改正で何が変わったのか
電子帳簿保存法の改正って何?という方もいると思うので、まずは改正の内容から説明します。
ポイントは大きく3つです。
国税関係帳簿や決算関係書類を電子的に作成する際の保存要件が緩和されたため電子帳簿の対応がしやすくなりました。
従来は電子帳簿等の保存に関して事前の承認が必要でしたが必要なくなりました。
スキャナ保存に関するタイムスタンプ期限の要件が緩和されるなど導入のハードルが下がりました。
取引で紙の領収書などを受領している場合、スキャナ保存することで紙の領収書の破棄が可能になります。

単にスキャンすればそれで良いというわけではなく、電子帳簿保存法で定められた要件を満たす必要があるよ
Amazonの通販やクレジットカードの決済のような電子取引を使う場合、領収書等の電子データの保存要件やデータの検索要件が緩和されました。
反面、電子データとして保存をすることが義務付けられ、印刷して紙で保存することは認められなくなります。
①電子帳簿等保存と②スキャナ保存については要件が緩和されたのでウェルカムです。義務化ではないので今まで通りの紙運用でも目先は問題ないです。
問題は③電子取引です。こちらも要件が緩和されたため対応は容易になりましたが、同時に電子データの保存が義務化されています。
全ての事業者に影響がある内容です。
3つのポイントの対応法を順に見ていきます。
電子帳簿等の保存対応は会計ソフトで解決!
国税関係帳簿や決算関係書類を電子データとして保存する際は、電子帳簿保存法の要件を満たしている必要があります。ただし、大手の会計ソフトを使用していればおよそ対応されていると思います。
いま使用している会計ソフトが電子帳簿保存法の要件を満たしているかは念のため確認しておきましょう。
僕が今まで使っていたfreeeや乗り換えを考えているマネーフォワードは要件を満たしていますので、これらのソフトを使用しているなら問題ありません。

スキャナ保存の対応、紙の領収書はどうすれば良い?
僕は経費になるようなものを購入して紙で領収書をもらった時など、今までは領収書を紙のまま保管していました。
これをスキャンして電子データとして保管することも認められていましたが、これまでは電子データ保管の要件が厳しく実質的には対応が難しい状況でした。
今回の改正でその要件が緩和され、これまでより対応が容易になっています。
会計ソフトが領収書等をスキャンして保存する要件に対応していれば、それを使用することで今後はいつまでも紙の領収書を取っておく必要がなくなります。
これまで通り紙での保管でも問題はないのですが、できるならスキャナ保存に対応している会計ソフトを使って紙の領収書とはおさらばしたいです。
スキャナ保存を考えるのであれば、会計ソフトが電子帳簿保存法の要件を満たしているか確認しましょう。
領収書をスキャンして保管する要件にはfreeeやマネーフォワードも対応しています。

紙の領収書を取っておくのは地味に場所をとって邪魔だよね

この機会に領収書はスキャン保存して、紙の領収書は処分できるようにしたいね

電子取引の対応、クレジットカードやAmazonの取引はどうすれば良い?
Amazonでの購入やクレジットカード決済などは、電子取引に該当します。
したがって今後は取引情報を電子データで保存しておく義務があります。

電子取引の電子データ保存は義務化なので必ず対応する必要があるよ

電子取引の電子データってなんじゃらほい?

電子的に授受した取引データのことで、メールで受け取った領収書とかもそれにあたるよ。

Amazonで買い物をするとWebで領収書をダウンロードできるけど、それも?

そうだね。
ただ保存した電子データは、データが正しいことを担保するためにタイムスタンプを付与する必要があったり、検索ができるようにする必要があるんだ。

めんどくさそう

会計ソフトを使っていればAmazonの取引データを連携して会計ソフトに取り込めるけど、そのデータを会計ソフトで管理する方法もあるよ。
Amazonの買い物やクレジットカード決済の取引なら領収書や利用明細をダウンロードして管理するよりも会計ソフトをうまく使った方が管理しやすいと思うよ。
いままでAmazonの領収書を印刷してとっておいたり、クレジットカードの明細書を紙でとっておいたりしていた場合、今後は信憑書類として認められなくなるため注意です。
とはいえ、会計ソフトを使っている場合はAmazonの取引情報やクレジットカードの明細情報のデータを連携し、会計ソフトに取り込んで仕分け処理をしているのではないかと思います。

僕も今までfreeeを使って銀行の取引もクレジットカードもAmazonの取引もデータを取り込んで処理していましたので今まで通りで良さそうです。
電子取引の情報の記録に関しても、電子帳簿保存法の要件を満たす必要がありますので使用している会計ソフトが要件を満たしているかは確認が必要ですが、freeeやマネーフォワードは要件を満たしています。
freeeやマネーフォワードでデータ連携を使用しているなら、Amazonとの取引やクレジットカード決済については電子データを保存していることになるので問題ありません。
今まで会計ソフトを使っていなかったり、使っていても電子帳簿保存法に対応されていないなら、すぐに対応が必要です。
ちなみに今回の電子帳簿保存法改正の対応に関しては、やむを得ない事情がある場合の2年間の宥恕(ゆうじょ)処置も発表されていますが注意が必要です。
2年間の宥恕って?延期や猶予と違うの?まだ対応しなく良いの?
2022年の電子帳簿保存法改正は準備期間が1年もなかったことの救済処置と思われますが、2021年12月にやむを得ない事情がある場合には2年間の宥恕処置があると発表されています。
延期とか猶予ではなく宥恕(ゆうじょ)です。
宥恕って聞きなれない言葉ですね。辞書で調べてみました。
寛大な心で許すこと。見のがしてやること。
2年間は見逃してもらえる可能性もありますが、やむを得ない事情を税務署長に認めてもらう必要があります。
やむを得ない事情とはシステムの準備が間に合わないなどの事情のようです。
とはいえ、万が一税務署に認められなかった場合のことを考えると、やはりすぐに対応すべきです。

ぼ〜ッとしていたので間に合いませんでした、だと認められないかもね

電子帳簿保存法改正は2022年1月からすでに施行されているので、遅かれ早かれ対応しないわけにはいきません。
となれば、やはり対応するのは今ですね。
クラウド会計ソフトを変えるなら今、青色申告なら先も見据えて選べ!
改正のポイントにあげた3つのうち、①電子帳簿等保存と②スキャナ保存はまだ対応せずに紙運用を続けるという選択肢も残っていますが、③電子取引の電子データ保存については義務化なので待ったなしです。
会計ソフトを使うならば、①電子帳簿等保存と③電子取引には今年から対応していくことになると思います。

②スキャナ保存も対応できれば紙の領収書を処分できるメリットがあるので、可能なら対応したいね。
ここで問題になるのが、例えば今年はfreeeを使って様子を見て、来年からはマネーフォワードに乗り換るということができるのかどうか、つまり今後も会計ソフトの乗り換えは可能なのかです。
電子帳簿保存法の電子データの記録の要件では訂正や削除をできないようにするか、訂正や削除の記録を残す必要があります。
要件を満たしている会計ソフトをずっと使い続けている分には問題ないですが、会計ソフトを乗り換える際にこの要件を満たせるのかというと、かなり疑問です。
乗り換え前後の会計ソフトが両方とも電子帳簿保存法の要件を満たしていたとしてもそれは使い続ける場合の話で、会計ソフトを乗り換える時は電子帳簿保存法の要件を満たせない可能性があります。
実質的に今後は会計ソフトの乗換ができなくなるか、もしくは電子データの保存が義務付けられている期間の間は乗換え前の会計ソフトを解約できない可能性があります。
こんへんは会計ソフト側の対応にもよりますが、会計ソフトのベンダーがわざわざ他社への乗換えをしやすく便宜を図るとは思えませんので、今後の会計ソフトの乗換えには相当のハードルができる可能性があります。
このため今年使う会計ソフトは不満が出てきても、少々のことでは乗り換えずに使い続けることを強いられる可能性があります。
従って、いま選ぶ会計ソフトは今後も見据えて使い続けられるソフトを慎重に選ぶ必要があります。

今のうちに、今後もずっと使い続けられる会計ソフトを選択しよう
いまクラウド会計ソフトを選ぶポイント
まず前提として、電子帳簿保存法の改正に対応するなら何らかの会計ソフトの導入は不可避と思っています。
PCにインストールして使用するタイプの会計ソフトだと、PCが壊れたりした時のバックアップとかWindowsが新しくなったら動かなくなったら困るとか、何かと心配です。
そうなると利便性や安全性等を考慮してクラウド会計ソフトを選ぶのがおすすめです。

クラウド会計ソフトだと何がいいの?

自分でデータをバックアップしたりソフトをバージョンアップしたりする手間がなくなるよ。
今回のような法改正があったときもシステムが自動的にバージョンアップして対応してくれるので安心だよ。
クラウド会計ソフトというと、代表的なのがfreeeとマネーフォワードの2つになります。
ポイントにあげた①電子帳簿等保存と③電子取引については、これらのクラウド会計ソフトを使えば、ほぼ問題なく対応できそうです。
問題は②スキャナ保存です。
今後もスキャナ保存はせずに紙でもらった領収書はずっと紙で取っておくというならいいですが、いずれは紙の領収書も電子データにしたいというのであれば、スキャナ保存にも対応できるのか、対応できるとしても費用や使い勝手は問題ないかということを考えて選びましょう。
電子帳簿保存法改正にあたってマネーフォワードを選んだ理由
freeeもマネーフォワードも電子帳簿保存法改正の3つのポイント、①電子帳簿等保存、②スキャナ保存、③電子取引に対応しています。
ただし利用料が違います。個人事業主向けのfreeeとマネーフォワードの価格は下表のようになっています。
プラン | スターター | スタンダード | プレミアム |
---|---|---|---|
freee | 980円/月 | 1980円/月 | 3316円/月 |
プラン | パーソナルミニ | パーソナル | パーソナルプラス |
---|---|---|---|
マネーフォワード | 800円/月 | 980円/月 | 2980円/月 |
どのプランでも電子帳簿保存法改正に対応できます。
僕はいままでfreeeのスタータープランを使用していましたが、freeeのスタータープランでは領収書のスキャン枚数が5枚/月に制限されているのがネックになりました。
この制限があるため、freeeのスタータープランでは実質的にスキャナ保存には対応できません。そのためスタンダードプランに移行する必要があります。
スキャナ保存は必要ないという方であればfreeeのスタータープランでも良いと思います。
一方のマネーフォワードではスキャンの枚数制限がありません。
マネーフォワードのパーソナルプラン(980円)を選んだ場合、freeeのスタンダードプラン(1980円)のほぼ半分の費用で運用できます。
このように費用的にはマネーフォワードが優位ですが、使い勝手が悪いようでは問題です。
そこで今回の検討にあたってマネーフォワードを無償試用期間の間に実際に使って、使い勝手などを比較してみました。
比較方法ですが、freeeは昨年まで使っていたので昨年分のデータは入力済みです。今回、マネーフォワードの方にも昨年分のデータを実際に入力し、双方で確定申告書類を作成してみて使い勝手を比較しました。
結果、総合的に判断して僕の場合は試用期間が終わったらマネーフォワードを選ぶことになりそうです。

僕は今年からマネーフォワードを選択し、freeeから乗り換えることになりそうです。

乗り換えって面倒だよね。
わざわざ乗り換えるほどマネーフォワードがオススメなのかい?

あくまでも僕の場合はマネーフォワードが良いということだよ。
何を重視するかで選択は変わってくると思うよ。

へ〜。そこらへんを詳しく、教えていただけませんかねぇ

まぁ、この先を読んでみてよ
freeeとマネーフォワードの比較
それではクラウド会計ソフトの代表格、freeeとマネーフォワードを比較していきます。
数年間freeeを使ってきた僕が一ヶ月近くマネーフォワードを使ってみて感じた、それぞれのメリット・デメリットをあげて比較していきます。

freeeの良いところ
まずはfreeeの良い面を見ていきます。
アプリが素晴らしく使いやすい
iOSのfreeeアプリを使っていましたが素晴らしく使いやすいです。
Gmailでメールを仕分けするような感覚でアプリ内で経費の仕分けができます。
おかげでちょっとした隙間時間にiPhoneで仕分けをできます。
Webも使いやすく特に検索の柔軟性が高い
Webの画面もよく設計されていて使いやすいです。
特に検索がとても柔軟で使いやすく、集計レポートの画面などでは集計された金額をクリックすると明細を表示して確認できるので便利です。

仕分け時などのサジェストも優秀で、「消」と打ち込んだら「消耗品」がサジェスト表示されるだけでなく、消耗品という勘定科目の説明まで表示されます。こういった入力の補助機能は便利です。
AIによる仕分けが賢く楽に仕分けができる
AIが仕分けを賢く学習してくれるので使い込むほど賢くなります。
取り込んだクレジットカードやAmazonの取引データの仕分けを推測してくれたり、設定によっては自動で仕分けをしてくれます。
領収書スキャン時のOCRが正確で入力が楽になる
領収書のスキャンは日付や金額を割と正確に読み取ってくれて、やはりAIが強いので仕分の推測までしてくれます。
総合的にfreeeはアプリを使ってもWebを使っても使いやすく入力がかなり楽です。
初めて確定申告するような人でもやりきれるような、初心者に優しいと感じる工夫が随所にされています。
freeeのイマイチなところ
次にfreeeを使っていてイマイチだと感じたところです。
未確定分のクレジットカードのデータが連携されない
未確定分のクレジットカードデータが連携されなかったため、クレジットカードの請求が確定するまでデータが連携されず仕分けできませんでした。
最近、カードによっては未確定データも取り込めるように改善が進んでいるようですが、全てのカードには対応されていません。
注意点は未確定データの取り込みに対応されたカードでも、対応がされる前からデータ連携を使っていたカードで未確定データを取り込めるようにするには、データ連携設定をやり直す必要があります。
ちなみに僕が使っているカードの中ではセゾンカードは未確定データも取り込めますが、メインで使っているAmazonカードがいまだに確定データしか取り込めません。
取り込みをしたAmazonの取引データの金額とクレジットカードの金額が合わない
Amazonからの購入についてですが、ポイントを使って購入した時にfreeeに連携される金額がポイント込みだったり、ポイント抜きだったりして一貫性がありません。
統一されていればまだやりようがあるのですが、クレジットカードの明細と金額があわなくなるので調整が面倒です。
電子帳簿保存法の対応がマネーフォワードより遅かった
今回の電子帳簿保存法の改正対応にあたっては、マネーフォワードは昨年中に完了していたようなのですが、freeeは年明け1月の後半まで待つことになりました。
法改正の対応などは迅速にしてもらえた方が安心です。
AIが賢いので頼り切ってしまい間違いに気づかない時がある
これはfreeeの問題とは言えないのですが、AIが賢いのでついつい頼りきってしまい、ちゃんと確認しないまま入力してしまうことがあります。
AIでも正確に判断できないことがあるのは当然なのですが、かなり正確に処理されるだけにたまに間違えていても気付かずに進めてしまうことがあります。
AIは便利な反面、使うユーザー側でも気をつけてチェックしないとですね。
マネーフォワードの良いところ
次にマネーフォワードの良い点を見ていきます。僕が今まで長いことfreeeを使ってきたので、freeeと比べて良いと思った点が中心になります。
未確定のクレジットカード明細も取り込める
freeeではクレジットカードの明細が連携されるまでひと月近く待つケースがあったのですが、マネーフォワードでは未確定分の明細も連携されるのですぐに処理できます。
年が明けたら、さっさと昨年の処理を終わらせたいという方は連携が早いのは助かります。
データ連携できる連携先が多い
データ連携できる相手先はfreeeより多いようです。
Suicaとの連携やクレジットカードの家族カード分の明細取り込みなんかもマネーフォワードはできますがfreeeではできません。
とはいえ、実際にデータ連携するカードやサービスは限られているので、自分が連携したいサービスが対応されていれば良いと思います。freeeの連携先も少ないわけではないので連携したいサービスに対応しているかをあらかじめ確認しておきましょう。
家計簿ソフトのマネーフォワードMEや経費入力用のクラウド経費など、便利なシステム連携が多い
マネーフォワードではマネーフォワードシリーズのシステムと連携が多彩です。
例をあげると家計簿アプリのマネーフォワードMEとの連携機能があります。
個人事業主はプライベートな取引と事業の取引が混ざって煩雑になりがちですが、マネーフォワードMEとの連携をうまく使うと整理しやすそうです。
また、クラウド経費という経費入力用のアプリでは経費の承認ワークフローを回してデータを連携するなどもできます。必要な人には便利です。
他にもメールで領収書を受け取ったときに、メールを転送してデータを保存するサービスなどもあります。
先のクレジットカード等のデータ連携と同じで、必要ない人には関係ない話ですが使うと便利そうなサービスがいろいろあります。
仕分けが正確にできる
freeeではAmazonポイントを使った時の一貫性がない問題などがありましたが、今のところマネーフォワードにはそういう点は見当たらないので正確に帳簿を作れる気がします。
ちなみにAmazonポイントの例だと、マネーフォワードでは商品の金額とポイント値引き分の金額が別明細で連携されてきます。
2つの明細に分かれるので面倒と言えば面倒ですが、freeeのように変にまとまった上に一貫性がないというのと比べると分かりやすいです。
帳簿をつけるスキルが身につく
freeeでは強力なAIのおかけで、作業の自動化や半自動化が進んでいました。楽だった反面、帳簿の知識は身につかないまま、なんとなく確定申告できてしまいます。ですが、本当にちゃんとできているだろうかという漠然とした不安が残ってしまいます。
その点、マネーフォワードは標準的な会計ソフトに近い形で入力しますし、処理の自動化も必要以上にはされていません。
このためちゃんとデータを把握しながら作業することになりますし、他のソフトを使うことになっても困らない程度のスキルが身につくと思います。
電子帳簿保存法の対応が早かった
正直、総合的に見るとマネーフォワードには特に際立った良いところはあまりなかったのですが、無難にまとまっている印象です。
freeeの欠点の裏返しがマネーフォワードの良いところという感じになっています。
マネーフォワードのイマイチなところ
最後にマネーフォワードのイマイチなところです。これもおもに今まで使ってきたfreeeと比べて感じた内容です。
アプリもWebもfreeeほど使いやすくない
マネーフォワードと比べるとfreeeの方がアプリもWebも使いやすいです。
マネーフォワードが使いにくいということもないのですが、freeeの完成度が高すぎるのでしょうね。
検索を例にするとfreeeに比べると質素で必要最低限の機能に絞られています。
そのため必要な情報になかなか絞り込めないこともよくあるので、いったんデータをエクスポートしてEXCELで検索したりすることが結構あります。
効率的に検索できるようにするには、データを入力するときに補助科目やタグをうまく使うなどして工夫する必要がありそうです。

マネーフォワードも使い勝手は早くfreeeに追いついてほしいですね。
痒いところに手が届いていないところがある
僕は住宅ローンの減税を受けているのですが、確定申告の際に必要な住宅借入金等特別控除額の計算明細書の出力にマネーフォワードは対応してません。こういった痒いところに手が届ききっていないことが所々あります。
freeeでは確定申告と際に作ってくれますので、まとめて申請できます。今までfreeeを使っていたので当たり前に感じていたところですが、freeeの方が気が利いているということなんですかね。
ある程度の会計帳簿の知識が必要
これはソフトの思想の違いから来るのかもしれませんが、マネーフォワードを使うにはある程度の会計帳簿の知識が必要だと思います。
freeeをはじめて使ったときは確定申告自体も初めてで、帳簿の知識も全くなかったのですがなんとなく入力していったら確定申告ができてしまいました。
借方とか貸方とかって何?というレベルでもfreeeはなんとか使えたのですが、マネーフォワードでは流石にそれだと難しそうです。
まったく予備知識のないところから確定申告する場合はfreeeの方が懐深く受け入れてもらえそうです。
逆にある程度の知識がある人や他の会計ソフトを使ったことがある人が使う場合は、マネーフォワードの方が標準的な作りなので使いやすいと感じるかもしれません。
freeeの楽天銀行やAmazonとの連携など
先日、freeeは楽天銀行とのAPI連携を2月から終了すると発表しています。
個人事業主などで楽天銀行を使用している人は多いのではないかと思いますが、今後、freeeではデータ連携できなくなるので注意が必要です。
freeeもマネーフォワードもこれまで連携先を増やして便利なサービスになってきていますが、連携をやめるというのは珍しいケースです。

なんでやめちゃうの?

連携するにはfreeeが楽天銀行に使用料を払っているはずなので、金額の折り合いがつかなかったんじゃないかな
マネーフォワードは今後も楽天銀行との連携を続けるそうです。
一方で、freeeはAmazonビジネス(事業者用のAmazonサービス)とのAPI連携を始めました。国内では初らしいです。Amazonビジネスを使っているなら、より便利になるかもしれませんね。
マネーフォワードでもAmazonやAmazonビジネスと連携できますが、API連携は使ってないんですかね?
freeeとマネーフォワードを比較した結果
先に書いた通り、僕はマネーフォワードを選ぶつもりです。
freeeとマネーフォワードで迷ったときには、スキャナ保存を使う予定があるかどうか、使うなら倍の費用がかかることが許容できるかどうかが、まずポイントです。
スキャナ保存が必要で費用を安く抑えたいならマネーフォワードが有力候補になります。
スキャナ保存を使うつもりがないひとや、費用は倍になっても良いというならfreeeが選択肢に入ります。
アプリでもWebでも全体的に使い勝手はfreeeが勝ります。この点はかなり大きなfreeeの優位点です。
マネーフォワードの方は際立った優位点がない代わりに欠点も見当たりません。
freeeではAmazonの取引のデータが不正確で扱いにくいのと、AIが便利な反面、頼りすぎると間違いに気づかなかったりします。
また、使用しているクレジットカードによってはデータの連携が遅い場合があります。
これらのことから、freeeは日々の仕分けなどの作業はかなりサクサクできるものの、年が明けて決算整理して綺麗に整理しようとするタイミングで、意外と時間がかかってしまうことがあります。
このあたりのfreeeの欠点は影響を受ける人と受けない人がいます。
影響が少ない方なら、freeeは非常に使い勝手が良く帳簿の知識が乏しい人にでも使いやすくてオススメです。
残念ながら僕はAmazonの利用も多く、メインのクレジットカードのデータ連携は遅く、freeeの欠点の影響を受けました。
費用面でのマネーフォワードのメリットもあり、今回はマネーフォワードへの乗り換えを選ぶことになりました。
freeeは初心者にも使いやすい反面、やや独自路線に走っているような印象があります。
対してマネーフォワードは少し非効率に感じることもありますが、スタンダードな会計ソフトという印象です。
初心者にはfreeeが扱いやすいですが、これまでに別の会計ソフトを使ったことがある人はマネーフォワードの方が分かりやすいかもしれません。
以下のような方はfreeeを選ぶと良いかもしれません。
この記事のまとめ
実はfreeeの契約期間がまだ残っているのですが、今年の確定申告(昨年分)の準備は比較するためもあってfreeeとマネーフォワードの両方で進めています。
問題なければマネーフォワードでそのまま確定申告して、乗り換えることになりそうです。
契約が重複する期間が出るので少しもったいない気もしますが、それでもマネーフォワードに早く乗り換えておいた方が僕の場合は費用を削減できそうです。
今回、freeeからマネーフォワードへの乗り換えを検討するにあたり、最初はfreeeのデータをマネーフォワードに移行しようしたのですが、両者は性質が異なるためデータの移行が予想以上に面倒で諦めました。
データを移行するよりは、銀行口座やクレジットカードのデータを全て連携して一から入力した方が楽でした。
ちなみに電子帳簿保存法には領収書等をスキャン保存する際に付与するタイムスタンプ付与期限が2ヶ月+7営業日以内という要件があります。
これを踏まえると今年から会計ソフトの乗り換えをするなら2月中には今後使用する会計ソフトを決めてスキャン保存できるようにしておくのがいいと思います。
マネーフォワードもfreeeも無料で試すことができますので、いまなら試すのにちょうど良いタイミングです。まずは両方使ってみて気に入ったほうを選ぶのもありだと思います。

仕分作業とか確定申告は自分にあったクラウド会計ソフトを使って効率良く済ませて、本来の仕事に時間を使えるようにしよう。

そうだ、そうだ、ちゃんと働いて稼げ〜

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この記事のまとめです。
参考までに電子帳簿保存法改正についての国税庁のパンフレットのリンクを貼っておきます。
最後に良い本を見つけたので紹介しておきます。
勘定科目の使い方が使用例を交えてとても分かりやすくまとまってます。
特に素晴らしいのが索引がとても使いやすいことです。手元に置いておくととても便利ですよ。
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